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Channel: ラジオ・エチオピア
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マルクス・アウレリウス『自省録』

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2013年も終わりに近づいていますが、今年ほど小説を読まなかった年は近年ないと思います。その代わり、今年は哲学や歴史など学問に関連した本をよく読みました。
今年の収穫は、なんといってもラッセルの「幸福論」と、このマルクス・アウレリウスの「自省録」です。この2冊は私の生きる姿勢について大きな影響を与えてくれました。
後年過去を振り返ったとき、「幸福論」と「自省録」に出会ったこの2013年が大きな変わり目の年だった、と思うのかもしれません。
マルクス・アウレリウスは、ローマ帝国の五賢帝の最後の皇帝の皇帝で“哲人皇帝”と呼ばれた皇帝です。
読み進めるにつれて、当時絶対的な権力者であったローマ皇帝といえどもいろいろと考えさせられることが多かったことがわかりますが、特に怒りを戒める言葉が多いことに驚かされます。
 
「口やかましくせぬこと。粗野な言葉づかいや、文法的にまちがったことや、気にさわるような表現を用いる人に対しては、とがめだてするような風に非難せず、答のかたちで、あるいは他人の言葉に口ぞえする形で、または言葉づかいではなく問題自体を一緒に論議するという形で、またそのほか同様のつつましやかな注意によって、用うべきであった表現そのものをうまく話の中に持って来ること」
 
 いまの時代にも充分通じる話ではないかと思います。

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