以前、自伝を読んだJ.S.ミルのセント・アンドルーズ大学名誉学長就任講演の内容をまとめた本です。
題名のとおり大学教育について語っているのですが、その冒頭、ミルはこう語っています。
「大学は職業教育の場ではありません。大学は、生計を得るためのある特定の手段に人々を適応させるのに必要な知識を教えることを目的とはしていないのです。大学の目的は、熟練した法律家、医師、または技術者を養成することではなく、有能で教養ある人間を育成することにあります」
日本でこういうことを言うと、違和感を覚える人たちも少なからずいると思いますが、大学本来の存在意義は、今も昔もミルの言うとおりだと思います。