「文藝春秋1月号」にまた村上春樹の新作短編が載っていました。
「ドライブ・マイ・カー」に続いて「イエスタディ」とくると、これはビートルズの曲で短編集を作るつもりなのでしょうか。それにしても、村上春樹の新作小説となると、普段、文藝春秋を買わない人も買うでしょうから、売り上げは相当伸びるんでしょうね。
内容は、生まれも育ちも東京の田園調布、それなのに関西弁を巧みにしゃべる二浪の男と、現役で早稲田大学に入った2年生の僕との奇妙な話です。
「ノルウェイの森」がそうだったように、これも村上春樹的“リアリズム小説”です。
ビートルズの歌に重ねて小説を書こうとすると、やはりあの時代の気分が記憶に甦ってきて、どうしてもリアリズム小説になってしまうんでしょうか。
昔はこういう時代の波に抗いながらもがいている人と、それには同調しなくとも、理解しようとする人たちがいたんですねぇ。懐かしい気分になりました。