昨日、読み終えました。
いろんなことについて考えさせられました。
読んでは考え、読んでは考えといった具合だったので、普通なら6~7時間で読んでしまうところを3日もかかってしまいました。
村上春樹の小説でこんなに考えさせられたのは初めてです。
この小説の“色”の部分で、以前読んだポール・オースターの『幽霊たち』という作品を思い出しました。おそらく、今後この作品に関する批評で、この『幽霊たち』を参照しながら論じるものが多く出てくるでしょう。
もうひとつは『1Q84』でも話題になりましたが、クラッシック音楽がキーになります。今回はリストの「巡礼の年第1年『スイス』」の『ル・マル・デュ・ペイ』です。私も早速実家からCDを借りてきて、この『ル・マル・デュ・ペイ』聴きながら読みましたが、この作品世界をよりよく堪能できるのではないかと思いました。
登場人物たちの名前、舞台が名古屋、対幻想から共同幻想へ、”近代的男女観”の超越など、村上春樹の思想の新しい展開が感じられて、とても面白く興味深い作品に仕上がっています。
前作『1Q84』とはまた違った世界を感じられると思います。